ルート営業なら楽、飛び込み営業はきつい。
そう聞いて営業の種類を選ぼうとしている方、あるいは今の営業がつらくて別のスタイルに移ろうか迷っている方へ。
実際には、どちらがきついかは「つらさの種類」が違うだけで、単純に比べられるものではありません。そして年収を左右するのは、ルートか飛び込みかというスタイルではなく、何を売るかという商材のほうです。
この記事では、両者の違いを仕事の中身から整理し、厚生労働省の統計で営業職の年収差を確認したうえで、今の営業が合わないときの移り方までまとめます。
📖 この記事でわかること
- ルート営業と飛び込み営業は、何が根本的に違うのか
- きついのはどっち?経験者が挙げる「つらさの種類」
- 営業職の年収は商材で最大133万円違う(令和7年の統計)
- それぞれに向いている人・向いていない人
- 今の営業が合わないときの、移り方の選択肢
ルート営業と飛び込み営業の違い|何が根本的に違うのか

2つの違いは「誰を相手にするか」に尽きます。そこから仕事の中身も、つらさも、身につく力も分かれます。
🔁 ルート営業
すでに取引のある顧客を定期的に回る営業。メーカー・商社・卸に多い。
1日の流れ(例)
受注・納期の確認
取引先を3〜5件訪問
追加提案・見積もり作成
🚪 飛び込み営業
面識のない相手をアポなしで訪ね、話を聞いてもらうところから始める新規開拓。
1日の流れ(例)
担当エリアと件数の確認
数十件を訪問・大半は断られる
件数・成果の報告
| 比べる点 | ルート営業 | 飛び込み営業 |
|---|---|---|
| 相手 | 既存の取引先 | 面識のない相手 |
| 断られる頻度 | 少ない | 多い(前提) |
| 数字の性質 | 既存取引の維持+上乗せ | 新規の件数・契約数 |
| 身につく力 | 関係構築・調整力 | 行動量・切り替え・初対面の会話 |
ルート営業のほうが楽そうに見えるけど、実際はどうなの?
断られる回数ならルート営業のほうが少ないです。ただ、つらさの種類が違うだけで、楽かどうかは人によって分かれます。
きついのはどっち?|つらさの「種類」が違う


経験者の声を並べると、つらさの出どころがはっきり違います。
🚪 飛び込み営業のつらさ
売れなかった後、社内で数字を詰められる(顧客の反応よりつらいという声)
「帰れ」「邪魔」と言われる程度の反応が日常
人が定着せず、数か月ごとに募集が出る職場もある
つらさの正体:断られること自体より、断られ続けた後の社内の評価
🔁 ルート営業のつらさ
話すことがなくなる・毎回同じ話になる
売上がなかなか上がらない時期が続く
合わない担当者がいても逃げられない
つらさの正体:同じ相手と長く続く関係の重さと、話題切れ
💬 経験者の声(Yahoo!知恵袋の回答を要約)
ルート営業について
既存顧客が中心なので新規開拓より心理的な負担は少ない傾向。ただし御用聞き的な面が強く、楽と感じる人もいれば、つまらないと感じる人もいる。求人の「ノルマなし」表記は比較的信頼できるが、売上を伸ばす期待がまったくないわけではない。
出典:Yahoo!知恵袋「ルート営業は普通の新規営業よりかなり心理的に楽ですか?」への回答の要約(2026年9月18日確認)
飛び込み営業について
つらいのは売れなかったときの社内からの突っ込み。顧客からは「帰れ」「邪魔」と言われる程度の反応。ルート営業は既存取引先が相手なので「全く違う」。
出典:Yahoo!知恵袋「飛び込み営業は辛いとよく聞きますが、本当にメンタルがやられてしまうほど…」への回答の要約(2026年9月18日確認)
※個人の経験に基づく意見です。職場や商材によって実態は大きく変わります。
求人票に「ノルマなし」と書かれていても、売上の期待がゼロとは限りません。求人票の記載がどこまで信用できるのか、嘘だった場合にどうなるのかは別記事にまとめています。


年収は「スタイル」より「商材」で決まる|統計で見る


先に正直に書くと、厚生労働省の統計は営業職をルート/飛び込みのスタイル別には集計していません。分かるのは「何を売るか」の商材別の差で、そこに大きな開きがあります。
営業職の推計年収、商材によるいちばん大きな差
133万円
金融営業 674万円 と 保険営業 541万円 の差(令和7年)
📊 営業職の推計年収(令和7年・男女計)
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第7表(企業規模10人以上)。推計年収=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額。男女別を労働者数で加重平均。確認日 2026年9月18日。
💴 差がつくのは「賞与」
保険営業の年間賞与は68万円で、金融営業の164万円の半分以下。月給はそこまで離れていないのに、賞与で大きく開いています。
💡 だから効くのは「商材」
ITやソリューションの法人営業が入る「機械器具・通信・システム営業」は659万円。年収を上げたいなら、スタイルより何を売るかを選ぶほうが効きます。
同じ営業でも、売るもので100万円以上違うんだ。スタイルのことばかり気にしてた。
職種による年収の開きは営業に限りません。現場職を含めた比較はこちらです。


向いている人・向いていない人


どちらのつらさなら耐えられるかで考えるのが現実的です。
🔁 ルート営業に向く人
- 同じ相手と長く関係を築ける
- 細かい調整や段取りが苦にならない
- 断られるのが強いストレスになる
- 急な数字の上下より安定を取りたい
🚪 飛び込み営業に向く人
- 断られても引きずらず切り替えられる
- 初対面の相手と話すのが苦にならない
- 同じ相手と長く付き合うほうが疲れる
- 行動量で結果を出すことに抵抗がない
⚠️ ルート営業が合わないサイン
訪問のたびに話題を探すのが苦痛
特定の担当者との関係が重い
→ 飛び込みに移るより、顧客層や商材が違う別のルート営業で楽になることも
⚠️ 飛び込み営業が合わないサイン
断られるより社内の詰めがつらい
行動量で評価される仕組みが合わない
→ 訪問しない新規開拓(反響営業・インサイドセールス)という形もある
ルート営業の仕事内容と1日の流れ
ルート営業は、すでに取引のある会社や店舗を定期的に回り、注文を受けたり、困りごとを聞いたりする仕事です。1日の流れの一例を示します。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 8:30〜 | 出社。当日の訪問先と、前日の注文・納品状況を確認 |
| 9:30〜 | 取引先を順に訪問。在庫の確認、新商品の案内、困りごとの聞き取り |
| 12:00〜 | 移動の合間に昼食 |
| 13:00〜 | 午後の訪問。見積もりや納期の調整 |
| 16:30〜 | 帰社して受注の入力、社内の手配、翌日の準備 |
扱う商材や会社によって、訪問件数や移動手段(社用車・電車)は大きく変わります。
未経験から入りやすい営業のひとつ
営業職は、企業が未経験者をもっとも多く採用している職種です(マイナビの調査で、2024年の未経験者の採用人数は営業が平均0.8人で最多)。有効求人倍率も2.28倍と、職業計(1.17倍)の約2倍あります。
既存の取引先を引き継ぐルート営業は、飛び込みより最初の数字のプレッシャーが小さく、未経験の入口として選ばれやすい仕事です。
求人票で見ておきたい3つ
担当する取引先の数、社用車の有無と移動距離、ノルマ(目標)が個人か課か、の3つです。同じルート営業でも、ここで働き方がまったく変わります。
📚 出典:マイナビ「中途採用状況調査2025年版」、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表8-1。1日の流れは一例です。確認日 2026年9月26日。
今の営業が合わないなら|移り方の選択肢


営業が合わないと感じたとき、動き方は3つあります。年収への効き方がそれぞれ違います。
🔄
スタイルを変える
ルート↔飛び込み、または反響営業・インサイドセールスへ。つらさの種類は変わる。
年収への効き目 △
📦
商材を変える
営業経験を活かして、年収の高い商材の営業へ。統計では最大133万円差。
年収への効き目 ◎
🧭
職種ごと変える
営業事務・カスタマーサクセス・企画など。最初は年収が下がることも。
年収への効き目 ?
営業の経験は、商材が変わっても評価されやすい経験です。顧客との関係づくり、課題の聞き取り、数字への責任は、どの営業でも求められるからです。
職種を変えて年収が下がる場合に、どこまで受け入れていいかの考え方はこちらです。


応募する前に、求人票のどこを見れば条件を見極められるかも押さえておいてください。


スタイルが合わないのか、商材が合わないのか、営業そのものが合わないのか。そこを切り分けるだけで、次の動き方がかなり変わります。
よくある質問


ルート営業と飛び込み営業、どちらが楽ですか?
断られる回数でいえばルート営業のほうが少なく、心理的な負担は軽い傾向があります。ただしルート営業には、同じ顧客と長く付き合う逃げ場のなさや、訪問のたびに話題を用意する大変さがあります。
飛び込み営業は断られるのが前提ですが、合わない相手と長く付き合う必要はありません。つらさの種類が違うので、どちらが楽かは人によって分かれます。
ルート営業は給料が安いというのは本当ですか?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査は、営業職をルート営業・飛び込み営業というスタイル別には集計していないため、公的な数字では確認できません。
統計で分かるのは商材別の差で、令和7年の推計年収は金融営業が約674万円、機械器具・通信・システム営業が約659万円、保険営業が約541万円です。年収はスタイルより、何を売るかで大きく変わります。
飛び込み営業は時代遅れですか?
オンライン商談やインサイドセールスが広がり、訪問しない新規開拓の手法は増えています。一方で、地域密着の商材や法人向けの一部では今も訪問営業が使われています。
働く側として大事なのは手法の新旧より、その職場の評価の仕方です。断られることより社内で数字を詰められることがつらいという声もあるので、評価制度や定着率を確認してください。
求人票に「ノルマなし」と書いてあれば信じていいですか?
ルート営業の求人については、「ノルマなし」の表記は比較的実態に近いという声があります。ただし明確なノルマがなくても、売上を伸ばすことへの期待がまったくないわけではありません。
面接で「数字の目標は誰がどう決めているか」「達成できなかったときにどうなるか」を具体的に聞くと、実態が分かりやすくなります。
営業経験は他の仕事に活かせますか?
営業で身につく、顧客との関係づくり、課題の聞き取り、数字への責任といった力は、商材が違う営業でもそのまま評価されやすい経験です。
営業以外でも、営業事務やカスタマーサクセス、企画など人と関わる職種で評価されることがあります。
ただし職種を変えると最初は年収が下がる場合があるので、許容できる範囲を先に決めておくと判断しやすくなります。
まとめ


✅ まとめ:ルート営業と飛び込み営業
- ルート営業は既存の取引先、飛び込み営業は面識のない相手が対象
- きつさは種類が違う。ルートは逃げ場のなさと話題切れ、飛び込みは断られ続けることと社内の数字の詰め
- 統計はスタイル別に集計していない。分かるのは商材別の差
- 令和7年の推計年収は金融営業674万円/機械器具・通信・システム営業659万円/保険営業541万円で、最大133万円差
- 年収を上げたいなら、スタイルより商材を変えるほうが効く
- 営業経験は別の営業でそのまま評価される。営業そのものが合わないなら職種ごと変える
参考・出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種第7表 職種(特掲)、性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計・企業規模10人以上)/Yahoo!知恵袋の質問「ルート営業は普通の新規営業よりかなり心理的に楽ですか?」「ルート営業をされている方、実際に働いてみて感じていることを教えてください」「飛び込み営業は辛いとよく聞きますが、本当にメンタルがやられてしまうほど…」への回答(要約)。いずれも2026年9月18日に確認。
推計年収は統計の月給と賞与から算出したもので、個別の企業の年収を示すものではありません。経験者の声は個人の意見であり、職場によって実態は異なります。









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