「退職理由を聞かれるのが、いちばんきつい」
面接で私がいちばん答えにくいのが、転職理由と退職理由です。本音は「もっと稼ぎたい」。いまの4社目を辞めるのもそれが理由です。でも、面接でそのまま言うのはなかなかできません。
この記事では、面接官が退職理由で何を見ているかを整理したうえで、本音が給料でも嘘をつかずに伝える言い換え方と、理由別の例文をまとめます。
📖 この記事でわかること
- 面接官が退職理由・転職理由で見ている3つのこと
- 40代が前の会社を辞めた理由(公的データ)
- 本音が「給料」でも嘘をつかない言い換えの型
- 理由別の例文(給料・人間関係・労働時間・短期離職)
- 退職理由と志望動機をつなげる方法
✅ 先に結論
面接官が退職理由で確かめたいのは、「うちに来ても、同じ理由でまた辞めないか」です。だから、本音をそのまま言うかどうかより、次の会社で解決できる理由になっているかが大事です。
給料が理由なら「お金がほしい」ではなく、「成果が収入に反映される環境で働きたい」と、何をしたら報われたいのかまで言葉にします。嘘ではなく、本音を相手が判断できる形に言い換えるイメージです。
型
事実 → そこで分かったこと → 次の会社でやりたいこと
避ける
前の会社の悪口・待遇だけの話・事実と違う理由
長さ
1分以内。深掘りされたら具体例で答える
「稼ぎたい」は悪い理由やないで。言い方を「何をしたら報われたいか」に変えるだけで、ちゃんと伝わるんや。
面接官が退職理由で見ていること


退職理由の質問は、あなたを責めるためのものではありません。面接官が確かめたいことは、ほぼ次の3つです。
① また辞めないか
前の会社を辞めた理由が、うちの会社でも起きないか
② 人のせいにしていないか
不満を周りのせいにして終わっていないか
③ 話が一貫しているか
退職理由と志望動機がつながっているか
「同じ理由で辞める」と思われたら、そこで止まる
たとえば「残業が多くて辞めた」人が、残業の多い会社に応募していたら、面接官は「うちでも辞めるのでは」と考えます。退職理由は、応募先で解決できる内容でなければ説得力がありません。
逆に言えば、応募先を選ぶ段階で、自分の退職理由が解決できる会社を選んでおくことが、いちばんの面接対策になります。
40代で前の会社を辞めた理由は、人間関係と給料が上位
厚生労働省の調査では、2024年に転職した40〜44歳の男性が前の会社を辞めた理由は、「職場の人間関係が好ましくなかった」が16.0%、「給料等収入が少なかった」が10.5%でした(個人的な理由などを除く)。45〜49歳の男性では、給料が14.3%でいちばん多くなっています。
給料を理由に辞める人は珍しくありません。面接官もそれは分かっています。問題は理由そのものより、伝え方です。
| 前の会社を辞めた理由(男性) | 40〜44歳 | 45〜49歳 |
|---|---|---|
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 16.0% | 10.0% |
| 給料等収入が少なかった | 10.5% | 14.3% |
| 会社の将来が不安だった | 10.2% | 10.0% |
| 労働時間・休日等の条件が悪かった | 7.6% | 8.3% |
📚 出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」表5 転職入職者が前職を辞めた理由別割合(男性、主な項目を抜粋)。確認日 2026年9月30日。
本音が「給料」でも嘘をつかない言い換え方


私自身、本音は「もっと稼ぎたい」です。それを面接でどう伝えるかを考えました。
私も、本音はそのまま言えなかった
面接で転職理由や退職理由を聞かれると、正直、答えるのがきついと感じます。4社目を辞めるのも、もっと稼ぎたいからです。
ただ「お金がほしいから辞めます」とそのまま言えば、「うちでも、もっと高いところがあれば辞めるのでは」と思われそうで、なかなか正直には伝えられません。同じように悩む人は多いと思います。
言い換えの型は「事実→分かったこと→次でやりたいこと」
給料が理由のときは、次の順番で組み立てます。
①事実:前の会社では、成果が給与に反映される仕組みがなかった/昇給の幅が決まっていた。
②分かったこと:自分は成果を数字で評価される環境のほうが力を出せる。
③次でやりたいこと:御社の評価制度のもとで、〇〇の成果を上げて収入も上げたい。
「給料」という言葉を消すのではなく、評価や成果とセットで話すのがポイントです。
年収の希望は、別の質問で正直に言えばいい
中途採用の面接では、たいてい「希望年収はありますか」と別に聞かれます。お金の話は、そこで具体的な金額として正直に伝えれば足ります。
退職理由の中で給料の不満を長く話すより、退職理由は「評価のされ方」、希望年収は「金額」と分けたほうが、どちらも伝わりやすくなります。
退職理由・転職理由の例文|理由別


よくある理由ごとに、避けたい言い方と、言い換えた例文を並べます。自分の事実に合わせて、〇〇を書き換えて使ってください。
給料が低い・上がらない
❌ 「給料が安くて生活が苦しいので辞めました」
⭕ 「前職では年功で昇給額が決まっていて、担当エリアの売上を前年より伸ばしても給与には反映されませんでした。成果が評価と収入につながる環境で力を試したいと考え、成果に応じた評価制度のある御社を志望しました」
もっと稼ぎたい(今の給料に大きな不満はない)
❌ 「もっと稼げる会社に行きたいからです」
⭕ 「40代になり、この先10年の働き方を考えたときに、自分の経験をより大きな責任と成果で生かしたいと考えました。〇〇の経験を生かして、御社で担当範囲を広げながら、それに見合う評価を得られるよう働きたいと考えています」
人間関係
❌ 「上司と合わなくて、職場の雰囲気も悪かったからです」
⭕ 「前職では個人で完結する業務が中心で、周りと相談しながら進める機会がほとんどありませんでした。チームで情報を共有しながら成果を出す働き方をしたいと考え、チーム制で業務を進めている御社を志望しました」
残業・休日など労働条件
❌ 「残業が多すぎて体がもたなかったからです」
⭕ 「前職では月の残業が〇時間ほどあり、業務の効率化を提案しましたが、体制上すぐには変わりませんでした。限られた時間で成果を出すことを大事にしたいと考え、業務の仕組み化を進めている御社で力を発揮したいと考えています」
短期間で辞める(在籍1年未満)
❌ 「思っていた仕事と違ったので、すぐ辞めることにしました」
⭕ 「入社前に仕事内容を十分に確認しきれなかった点は、私の反省点です。実際に働いてみて、〇〇よりも〇〇の仕事で経験を生かしたいとはっきりしました。今回は仕事内容と評価の仕組みを事前に確認したうえで、長く働ける会社として御社を選びました」
短期離職は「反省」と「次は確認した」をセットで
在籍が短い場合、面接官は「またすぐ辞めるのでは」と一番気にします。前の会社のせいにせず、自分の確認不足も一言認めたうえで、今回は何を確かめて応募したのかを話すと、同じことを繰り返さない根拠になります。
転職回数が多い場合の考え方は、別の記事でまとめています。


そのほかの退職理由の例文|将来の不安・体調・家庭の事情など
給料や人間関係以外にも、よくある退職理由があります。言いにくい理由ほど、事実を短く伝えて、次の会社で何をしたいかにつなげるのがコツです。
会社の将来が不安
❌ 「会社の業績が悪く、このままでは危ないと思ったからです」
⭕ 「前職では主力の事業が縮小し、担当していた〇〇の仕事も減っていきました。これまでの〇〇の経験を、成長している分野で生かしたいと考え、事業を広げている御社を志望しました」
仕事内容が合わない・やりたいことができない
❌ 「やりたい仕事をさせてもらえなかったからです」
⭕ 「前職では〇〇を担当していましたが、より〇〇に近い仕事をしたいと考えるようになりました。社内で異動の希望も出しましたが、部署の体制上すぐには難しい状況でした。〇〇に専任で取り組める御社で力を発揮したいと考えています」
体調を崩して退職した(休職のあと)
❌ 「メンタルを壊して働けなくなったからです」
⭕ 「前職では体調を崩して休職し、治療に専念するために退職しました。現在は回復していて、主治医からも就業に問題はないと言われています。今後は〇〇(働き方の工夫)を心がけながら、長く働きたいと考えています」
家族の介護・家庭の事情
❌ 「親の介護があって、仕事どころではなかったからです」
⭕ 「家族の介護のために、勤務時間の調整が必要になり、前職では続けることが難しくなりました。現在は介護サービスを利用する体制が整い、フルタイムで働ける状況です」
会社都合(倒産・事業所閉鎖・契約満了)
❌ 「会社がつぶれたので、仕方なくです」
⭕ 「事業所の閉鎖に伴い、退職することになりました。〇年間で〇〇の経験を積むことができたので、これを生かせる御社で、腰を据えて働きたいと考えています」
体調の理由は、「いまは働ける」ことが伝われば十分
病名や細かい経緯まで話す必要はありません。面接官が知りたいのは、入社後に同じことが起きないか、いまは働ける状態か、という点です。
回復していること、再発しないために気をつけていることを短く伝えてください。私自身も適応障害で休職し、退職した経験があります。


退職理由と志望動機をつなげる


退職理由だけうまく言えても、志望動機とつながっていなければ、面接官には作った話に聞こえます。
退職理由を1行で書く(例:成果が収入に反映されない)
応募先で、それが解決できる根拠を探す(評価制度・求人票・面接で聞いた話)
志望動機の中で、その根拠を名指しする(例:成果に応じた評価制度)
声に出して1分以内に収まるか確かめる
応募先に「解決できる根拠」がないなら、応募先を変える
言い換えをいくら工夫しても、応募先に自分の退職理由を解決できる材料がなければ、話がつながりません。給料が理由なのに、給与テーブルが前の会社と変わらない会社に応募していれば、面接官はすぐ気づきます。
求人票の給与欄や評価制度の記載、面接の逆質問で確かめてから応募するほうが、面接も楽になります。
深掘りされたら、具体的な数字と出来事で答える
「具体的には?」と聞かれたときに、数字や出来事が出てこないと、作った理由に見えます。売上の数字、残業時間、担当した件数など、事実を1つ用意しておいてください。
本音を隠そうとするより、事実を増やすほうが、面接では信用されます。




深掘りされたときの答え方と、書類での書き方
退職理由は、一度答えて終わりではなく、さらに質問されることがよくあります。よくある深掘りと答え方を表にしました。
| よくある深掘りの質問 | 答え方のポイント |
|---|---|
| 「前の会社に不満はなかったのですか」 | 不満を並べず、「〇〇の点は自分で改善を試みたが、体制上難しかった」と行動を添える |
| 「なぜ今の会社の中で解決しなかったのですか」 | 異動の希望や相談など、社内で試したことを1つ伝える |
| 「うちでも同じことがあったらどうしますか」 | 応募先で確認したこと(制度・体制)を挙げ、同じ状況は起きにくいと考える根拠を話す |
| 「短期間で辞めた理由は」 | 自分の確認不足も一言認め、今回は何を確かめて応募したかを伝える |
深掘りには、事実と行動で答える
深掘りの質問は、退職理由が本当かどうか、人のせいにしていないかを確かめるためのものです。気持ちを説明するより、「何があって」「自分は何をしたか」という事実と行動で答えると、話がぶれません。
答えに詰まったら、無理に取りつくろわず「その点は自分の課題だと思っています」と認めるほうが、印象はよくなります。
履歴書は「一身上の都合」、会社都合は「会社都合により」
履歴書の職歴欄では、自己都合で辞めた場合は「一身上の都合により退職」と書けば十分で、理由をくわしく書く必要はありません。倒産や事業所閉鎖、退職勧奨などの会社都合なら、「会社都合により退職」と書きます。契約期間が終わって辞めた場合は「契約期間満了により退職」です。
くわしい理由は、面接で聞かれたときに話せば足ります。
職務経歴書では、一言だけ前向きに添える
職務経歴書に退職理由を書く欄はありませんが、短期間の在籍が続く場合などは、職歴の下に「〇〇の経験を生かすため転職」のように一言添えると、読む側の疑問を減らせます。
書類が通らないときの見直し方は、別の記事でまとめています。


よくある質問


面接で「給料が低いから辞めた」と正直に言ってもいいですか?
言っても構いませんが、それだけだと「もっと高い会社があれば辞める」と受け取られやすくなります。成果や評価とセットにして、「成果が収入に反映される環境で働きたい」のように、次の会社で何をしたいかまで話すと伝わりやすくなります。
退職理由と転職理由は同じですか?
近いものですが、退職理由は「なぜ前の会社を辞めたか」、転職理由は「なぜ転職して何をしたいか」です。面接では、退職理由から志望動機までを一続きで話せるようにしておくと答えやすくなります。
退職理由が思いつかないときはどうすればいいですか?
辞めようと思ったきっかけの出来事を1つ書き出し、そこから「自分は何を大事にしたいのか」を考えます。その答えが、応募先で実現できることと結びつけば、退職理由になります。
退職理由で嘘をついてもバレませんか?
深掘りの質問や、前の会社での具体的な話とのずれから、不自然さは伝わりやすいです。事実を変えるのではなく、事実の伝え方を変えるほうが安全です。
退職理由はどのくらいの長さで話せばいいですか?
1分以内が目安です。長く話すほど不満に聞こえやすくなります。面接官が気になれば深掘りの質問をしてくるので、そのときに具体例で答えてください。
体調を崩して辞めた場合、面接で正直に話すべきですか?
病名や細かい経緯まで話す必要はありませんが、休職・退職したことは事実として短く伝え、いまは回復して働ける状態であること、再発しないための工夫を添えると安心してもらえます。
履歴書に退職理由は書く必要がありますか?
自己都合なら「一身上の都合により退職」、会社都合なら「会社都合により退職」、契約満了なら「契約期間満了により退職」と書けば十分です。くわしい理由は面接で聞かれたときに話します。
まとめ


✅ まとめ
- 面接官が見ているのは「同じ理由でまた辞めないか」
- 40代男性の退職理由は人間関係と給料が上位。給料を理由に辞めるのは珍しくない
- 給料が理由なら、評価や成果とセットで「次で何をしたいか」まで話す
- お金の話は「希望年収」の質問で、金額として正直に伝える
- 短期離職は、自分の反省と「今回は確認した」をセットで
- 応募先に退職理由を解決できる根拠がなければ、応募先を変える
本音を隠すんじゃなくて、相手が判断できる形にする。そう考えると、少し話しやすくなりますね。







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