「契約社員と派遣社員って、結局なにが違うの?」
どちらも「期間が決まった働き方」で、求人票だけ見ると違いが分かりにくいものです。でも実際は、雇い主が誰かから、辞めるときのルールまで違います。
私はコナミスポーツで、アルバイトから準社員(契約社員)になり、7年間働きました。この記事では、契約社員と派遣社員の違いを8項目で整理し、正社員との違いや、正社員を目指すときの道筋までまとめます。
📖 この記事でわかること
- 契約社員と派遣社員の違い8項目(比較表)
- 給料・賞与・社会保険はどう違うか(公式データ)
- 「5年で無期転換」と「同じ部署は3年まで」のルール
- 辞めるとき・契約が終わるときの違い
- 契約社員7年の体験と、正社員を目指すときの道筋
✅ 先に結論
いちばん大きな違いは雇い主です。契約社員は働く会社と直接契約し、派遣社員は派遣会社に雇われて別の会社で働きます。
そのため、給料の交渉相手も、困ったときの相談先も、辞めるときに話す相手も変わります。どちらが上という話ではなく、決まり方が違うだけです。気になる項目は、最後は自分の契約書で確かめてください。
契約社員
働く会社と直接契約。通算5年を超えると無期への転換を申し込める
派遣社員
派遣会社と契約。同じ部署で働けるのは原則3年まで
正社員を目指すなら
登用制度の実績を確かめる。外に探すなら転職も並行する
呼び方が違うんやなくて、契約の相手が違うんや。そこが分かると、給料も辞め方も全部つながって見えてくるで。
契約社員と派遣社員の違い8項目


まず全体を表で並べます。正社員との違いは、この後の見出しと別の記事で詳しく書いています。
| 項目 | 契約社員 | 派遣社員 |
|---|---|---|
| ① 雇い主 | 働く会社 | 派遣会社 |
| ② 仕事の指示を出す人 | 働く会社 | 派遣先の会社 |
| ③ 契約の期間 | 定めあり(更新あり) | 定めあり(派遣会社で無期雇用の人もいる) |
| ④ 期間のルール | 通算5年を超えると無期転換を申し込める | 同じ部署で働けるのは原則3年まで |
| ⑤ 給料を決める相手 | 働く会社 | 派遣会社 |
| ⑥ 賞与 | 契約と会社の決まりによる | 派遣会社の決め方による |
| ⑦ 社会保険 | 働く会社で加入 | 派遣会社で加入 |
| ⑧ 辞めるときの相談先 | 働く会社 | 派遣会社 |
📚 出典:労働契約法第18条、労働者派遣法(派遣可能期間)、厚生労働省「派遣で働く皆様へ」ほか。確認日 2026年9月29日。
雇い主が違うと、相談先が全部変わる
派遣社員は、毎日働く場所は派遣先の会社でも、雇っているのは派遣会社です。給料の交渉、契約の更新、職場でのトラブルの相談は、基本的に派遣会社の担当者に伝えます。
契約社員は、働く会社そのものと契約しています。上司や人事に直接話すことになり、そのぶん社内での立場や人間関係が契約の更新に響きやすい面があります。
「5年」と「3年」は、ルールの向きが逆
契約社員は、同じ会社で有期契約が更新されて通算5年を超えると、本人が申し込めば期間の定めのない契約(無期雇用)に変わります。会社は断れません。
派遣社員は、同じ派遣先の同じ部署で働けるのが原則3年までです。3年を超えて同じ部署で働き続ける仕組みではないので、派遣先に直接雇われるか、別の部署・別の派遣先に移るかを考えることになります。なお、派遣会社に無期で雇われている人は、この3年の制限を受けません。
正社員との違いは「期間の定め」と「将来の賃金の伸び」
正社員は期間の定めがなく、働く会社に直接雇われます。契約社員・派遣社員との大きな差は、年齢とともに給料が上がっていくかどうかです。
正社員と正社員以外の賃金差や、契約社員から正社員になる方法は、別の記事でデータとあわせてまとめています。


給料・賞与・社会保険の違い


お金の面を、公式データで確かめます。
派遣社員の賃金の平均(8時間あたり・2024年度)
16,735円
派遣会社が派遣先から受け取る料金の平均は26,257円(同じく8時間あたり)
📚 出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」(2026年3月31日公表)。確認日 2026年9月29日。
契約社員を含む「正社員以外」の月給は24.2万円
厚生労働省の賃金の調査では、正社員・正職員の月の所定内給与は358,800円、それ以外(契約社員などを含む)は241,700円でした。差は月117,100円です。
この数字は契約社員だけのものではなく、フルタイムで働く「正社員以外」(契約社員・嘱託など。短時間のパートは含まない)全体の平均です。ただ、雇用形態で給料の伸び方が違うことははっきり表れています。
派遣の賞与は「派遣会社の決め方」で変わる
派遣社員の待遇は、派遣会社が「派遣先の社員と同じ水準にする」か「労使協定で決める」かのどちらかで決まります。2025年6月1日時点では、派遣社員の約94%が労使協定の対象でした。
労使協定の方式では、賞与に当たる分を時給に上乗せする会社も、別に支給する会社もあります。「派遣はボーナスなし」とは一概に言えないので、派遣会社に支給のしかたを確認してください。
社会保険は、雇用形態ではなく働き方で決まる
健康保険・厚生年金・雇用保険に入るかどうかは、契約社員か派遣社員かではなく、週の労働時間や契約の見込み期間などで決まります。条件を満たせば、どちらも加入します。
違うのは加入する先で、契約社員は働く会社、派遣社員は派遣会社の保険に入ります。派遣先が変わっても、同じ派遣会社にいる間は保険も続きます。
📚 出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(所定内給与・男女計)、同「労働者派遣事業の令和7年6月1日現在の状況(速報)」(協定対象派遣労働者1,896,806人/派遣労働者2,009,094人)。確認日 2026年9月29日。


辞めるとき・契約が終わるときの違い


期間の決まった働き方では、辞めるときのルールが正社員と違います。ここは思い込みで動くと損をしやすいところです。
契約社員
期間の途中で辞めるには「やむを得ない事由」が必要。ただし1年を超える契約なら、1年たった後はいつでも辞められる
派遣社員
契約の相手は派遣会社。辞めたいときも、派遣先ではなく派遣会社の担当者に先に伝える
正社員
法律上は申し出から2週間で辞められる。就業規則で「1か月前」などと決めている会社も多い
契約社員|途中で辞めるのは原則むずかしいが、例外がある
期間の定めのある契約は、原則として期間の途中で辞められません。病気や家族の介護など、やむを得ない事情があれば途中でも辞められます。
また、契約期間が1年を超える契約の場合、働き始めてから1年がたてば、いつでも申し出て辞められます(一部の専門職などを除く)。更新のタイミングで「次は更新しない」と伝えるのが、いちばん揉めにくい辞め方です。
派遣社員|派遣先の都合で終わったときは、派遣会社に次を相談
派遣先の都合で派遣契約が途中で打ち切られても、派遣会社との雇用契約まで自動的に終わるわけではありません。派遣会社には、次の仕事を探すなどの対応が求められています。
自分から辞めたいときは、派遣先の上司ではなく、まず派遣会社の担当者に伝えてください。派遣先に直接言っても、契約の手続きは進みません。
どちらも、契約書の「更新の有無」を最初に確かめる
契約書や労働条件通知書には、更新があるかどうかと、更新するときの判断の基準が書かれています。更新の上限回数や上限年数が決められている場合もあります。
「ずっと更新されるだろう」と思って入ると、上限に当たった時点で終わることもあります。入る前に、上限があるかを確かめてください。


コナミスポーツで契約社員7年|やってみて分かったこと


私は2004年から2011年までの7年間、コナミスポーツで働きました。最初はアルバイトで入り、数年後に準社員(契約社員)に登用されました。
📝 私の働き方の流れ
アルバイトとしてスタート
準社員(契約社員)に登用
登用には筆記試験があり、突破した人は在籍中に数人
正社員にはならず、転職を選ぶ
契約社員になって、アルバイトと手取りが逆転した
驚いたのは、準社員に登用された後、アルバイトの時給が上がって、手取りで逆転が起きたことです。アルバイトはシフトに多く入れば入るほど収入が増えますが、準社員は残業が増えても残業代が出にくい仕組みでした。
「契約社員になれば給料が上がる」とは限りません。登用の話が来たら、月の総額と残業の扱いを、今の働き方と並べて比べてください。
「頑張れば正社員」は、実績を数字で確かめる
「頑張れば正社員になれる」という話はありましたが、正社員になるには筆記試験があり、現場の実績だけでは通りませんでした。7年の在籍中に、試験を突破して正社員になった人は数人しか見ていません。
正社員登用の制度があるかより、毎年何人が実際に登用されているかを面接や入社後に聞くほうが確実です。


どれを選ぶ?正社員を目指すときの道筋


向き・不向きと、正社員を目指すときの3つの道を並べます。
契約社員が向いている人
- 入りたい会社が決まっている
- 同じ職場で長く働き、5年後の無期転換も考えたい
- 社内の人と直接関係を作りたい
派遣社員が向いている人
- いろいろな職場を経験してみたい
- 仕事探しや条件の交渉を派遣会社に任せたい
- 職場の人間関係と距離を置きたい
道①|今の会社の登用制度・無期転換を使う
契約社員なら、正社員登用の制度があるか、そして実際に何人が登用されているかを確かめます。通算5年を超えれば無期転換を申し込めますが、無期になることと正社員になることは同じではありません。給料や待遇が変わるかは、会社の決まりしだいです。
道②|紹介予定派遣で、正社員前提の職場を試す
派遣には、一定期間(最長6か月)働いた後に、本人と派遣先が合意すれば直接雇用に切り替わる「紹介予定派遣」という形があります。職場を見てから決められるのが利点です。ただし、直接雇用が正社員とは限らないので、切り替わった後の雇用形態を最初に確認してください。
道③|外の会社の正社員求人に応募する
今の職場での登用が見込めないなら、転職で正社員を目指すのがいちばん早い場合もあります。私もコナミでの登用ではなく、転職を選びました。在職中に求人を見て、応募しながら今の契約の更新時期を考えると、収入が途切れにくくなります。
よくある質問


契約社員と派遣社員の一番の違いは何ですか?
雇い主です。契約社員は働く会社と直接契約し、派遣社員は派遣会社に雇われて派遣先で働きます。給料の交渉や契約の更新、辞めるときの相談先も、この雇い主になります。
契約社員と派遣社員、給料が高いのはどちらですか?
職種や地域で大きく変わるため、一概には言えません。派遣社員の賃金の平均は8時間あたり16,735円(2024年度)です。求人を比べるときは、時給だけでなく賞与や交通費の扱いを含めた総額で比べてください。
派遣社員にボーナスはありますか?
派遣会社の決め方によります。派遣社員の約94%は労使協定で待遇が決まっていて、賞与に当たる分を時給に含める会社も、別に支給する会社もあります。派遣会社に確認してください。
契約社員は5年で正社員になれますか?
通算5年を超えると無期雇用への転換を申し込めますが、無期雇用は正社員と同じではありません。給料や待遇が変わるかは会社の決まりしだいです。
契約社員は契約期間の途中で辞められますか?
原則として、やむを得ない事由が必要です。ただし契約期間が1年を超える契約なら、1年がたった後はいつでも辞められます(一部の専門職などを除く)。
まとめ


✅ まとめ
- いちばんの違いは雇い主。契約社員は働く会社、派遣社員は派遣会社
- 契約社員は通算5年超で無期転換を申し込める。派遣は同じ部署で原則3年まで
- 派遣の賃金は8時間あたり平均16,735円。賞与の扱いは派遣会社しだい
- 社会保険は働き方で決まり、入る先が違うだけ
- 契約社員の途中退職は原則むずかしいが、1年超の契約なら1年後はいつでも可
- 正社員を目指すなら、登用の実績を数字で確かめ、転職も並行する
どっちが上かじゃなくて、決まり方が違うだけ。そう分かると、自分に合う方を選びやすくなりますね。









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