「エージェントの連絡がしつこい。1社でも疲れるのに、複数なんて無理」
連絡が多いのは担当者の性格ではなく、報酬の仕組みから来るものです。仕組みが分かれば、連絡の量はこちらで調整できます。
この記事では、しつこさの理由と止め方、それでも複数登録したほうがいい理由を、公開データと私自身の応募の実数で説明します。
📖 この記事でわかること
- エージェントが無料で、連絡が多くなる理由(職業安定法の仕組み)
- 連絡を減らす伝え方と、そのまま使える断り方の例文
- 内定1社までに平均何社応募しているか(dodaの公開データ)
- 40代の私が3つのサービスを並行して使った結果
- 何社に登録して、どう使い分けるか
✅ 先に結論
しつこさは最初の面談で「温度感」と「連絡方法」を伝えるだけでかなり減ります。
そのうえで登録は2〜3社。dodaの公開データでは、内定1社までの平均応募数は31.9社です。1社の紹介だけでこの数を確保するのは難しいからです。
しつこさの正体
入社が決まって初めて企業から報酬が出る仕組み
止め方
「情報収集中」「連絡はメールで」を最初に伝える
登録数
2〜3社で比べ、応募が本格化したら絞る
しつこいのは仕組みのせいや。分かってたら、こっちでハンドル握れるで。
私が3つのサービスを並行して使った結果


私は40代で、いまリクルートエージェント、ミドルの転職、Indeedの3つを並行して使っています。職種は絞らず、興味があって応募できる仕事を選んでいます。
リクルートエージェント
約40社→1社
応募から面接に進めた数
Indeed(直接応募)
10社→約6社
応募から面接へ。うち内定2社
ミドルの転職
ほぼ通らず
自分で求人を見て応募
1つのサービスだけなら、面接は1社だった
エージェント経由では約40社に応募して、面接に進めたのは1社だけでした。もしエージェント1社に絞っていたら、内定はまだ出ていなかったと思います。
実際に内定が出たのは、Indeedで自分で応募した会社です。複数の経路を持っていたことが、結果を分けました。
Indeed経由で、知らないうちにエージェントに登録していた
Indeedで応募したつもりが、実はエージェントへの登録を促す求人でした。気づかないまま登録し、そのエージェントからは「紹介できる求人がない」と言われて終わりました。
連絡の多さに疲れるだけでなく、こういう登録も起きます。自分がどこに登録しているのかは、把握しておいてください。


なぜしつこいのか|無料で使える仕組みが理由


転職エージェントは厚生労働大臣の許可を受けた「有料職業紹介事業者」です。有料なのに求職者が無料で使えるのは、法律で求職者からの手数料が原則として禁止されているからです。
お金の流れ
- 職業安定法で、求職者から手数料を取るのは原則禁止
- 報酬は、採用が決まったときに企業から支払われる
- 例外は芸能家・モデルなどと、年収700万円を超える経営管理者などに限られる
だから起きること
- 入社が決まらないと、エージェントに売上が立たない
- だから面談・応募・面接の日程を早く進めようとする
- 紹介できる求人がない人には、連絡自体が来なくなることもある
📚 出典:職業安定法第32条の3(手数料)および同法施行規則。確認日 2026年9月24日。
しつこさへの対処法|連絡の主導権はこちらにある


エージェントはこちらの温度感が分からないと、最短で内定まで進める前提で動きます。最初に伝えるだけで、やり取りはかなり落ち着きます。
最初の面談で「すぐ転職したいのか、情報収集中か」をはっきり言う
連絡手段を指定する(例:電話は不要、メールかLINEで)
紹介は全部応募しなくていい。合わない理由を一言返すと次の紹介の精度が上がる
合わない担当者は変更を申し出る。サービスの問い合わせ窓口から頼める
使わなくなったら退会(登録解除)する。放置すると連絡は続く
そのまま使える断り方の例文
「ご紹介ありがとうございます。検討しましたが、今回は勤務地の条件が合わないため見送らせてください。通勤1時間以内の求人があれば、またご連絡いただけると助かります。」
ポイントは、早めに返す・理由を一言添える・無視しない、の3つです。理由があると、次に来る求人が変わります。
「情報収集中です」と言うのは失礼ではない
すぐ動くつもりがないのに急いでいるふりをすると、連絡の量が増えるだけです。エージェントにとっても、見込みの違う人に時間を使うのは損なので、正直に伝えたほうがお互いのためになります。
それでも複数登録したほうがいい理由|応募数のデータ


「しつこいなら1社で十分」と思いがちですが、応募の数で見ると1社だけでは足りない場合があります。
内定1社までの平均応募社数(dodaエージェント経由の内定者)
31.9社
94.9%が2社以上、66.4%が11社以上に応募していた
転職で使ったサイト・エージェントの数(転職経験者199人)
出典:株式会社ジャストシステム調べ(2019年7月16〜17日・転職経験者199人)をリクナビNEXTが掲載。平均は2.3社、6社以上は0%。確認日 2026年9月24日。
📚 出典:応募社数は doda「転職成功者の平均応募社数」(調査期間 2025年4月〜2026年3月・dodaエージェントサービスを利用して内定した人)。1つのサービスの利用者の数字で、全体の平均ではありません。確認日 2026年9月24日。
1社の紹介だけで30社分の応募先をそろえるのは難しい
エージェントが紹介できるのは、企業がそのエージェントに出している求人だけです。私の場合、エージェント経由で約40社に応募して面接は1社でした。
応募先の数を確保するなら、エージェント2社に加えて、自分で応募できる求人サイトも持っておくほうが現実的です。
増やしすぎると、今度は管理できなくなる
利用社数は2社が最も多く、平均2.3社でした。4社、5社と増やすと、連絡の返信と面接日程の管理だけで手いっぱいになります。まず2〜3社で比べて、応募が本格化する前に絞るのが無理のない形です。


複数登録のデメリットと、避けたい失敗


複数登録には弱点もあります。先に知っておけば、ほとんどは防げます。
同じ会社に二重で応募してしまう
別々のエージェントから同じ求人を紹介され、両方から応募すると企業側が混乱します。選考に悪い印象を残すことがあります。
面接の日程が重なる
担当者は他社の予定を知りません。自分で予定を管理しないと、同じ時間に面接が入ることがあります。
連絡の返信だけで疲れる
登録数に比例して連絡も増えます。3社を超えると、返信と日程調整で本業に支障が出やすくなります。
防ぐ方法はひとつで、応募した会社を一覧にして管理することです。スマホのメモでも十分です。
| 応募先 | どこから応募したか | 応募日 | 状況 |
|---|---|---|---|
| A社(営業) | エージェント① | 9/10 | 書類選考中 |
| B社(営業) | 求人サイト(直接) | 9/12 | 一次面接 9/20 |
| C社(企画) | エージェント② | 9/15 | 見送り |
エージェントから紹介された会社に、自分でも応募しない
同じ会社を別の経路でも見つけたら、どちらか一方にしてください。すでにどこかで応募している会社を紹介されたら、「その会社は自分で応募済みです」と担当者に伝えれば問題ありません。
何社に登録して、どう使い分けるか


同じタイプを3社並べても比べる意味が薄くなります。タイプの違うものを組み合わせてください。
| 組み合わせ | 役割 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 総合型エージェント 1社 | 求人の幅と相場を知る | 全員。首都圏ならtype、地方ならリクルートエージェントなど |
| 若手向け・業界特化型 1社 | 狙う層・業界を深く見る | 20代・未経験・特定の業界を狙う |
| 求人サイト(直接応募) | 自分で応募先を増やす | 全員。エージェントの紹介が少ないときの保険 |
複数登録していることは、担当者に伝えていい?


「他のエージェントも使っていると言ったら、嫌がられるのでは」と心配する人は多いですが、伝えたほうがうまく進みます。
伝えたほうがいい理由
担当者はほかの会社での応募状況を知らないと、同じ求人を紹介したり、日程を重ねたりします。併用していると分かれば、重複を避けて紹介してくれます。
ほかでの選考の進み具合を伝えると、「この会社の結果が出る前に決めたい」といった調整もしてもらいやすくなります。
伝え方の例
「ほかに1社エージェントを使っていて、求人サイトからも応募しています。同じ会社への重複応募を避けたいので、応募済みの会社は先にお伝えします。」
社名まで言う必要はありません。応募済みの会社名だけ共有すれば十分です。
ケース別の断り方と、退会の仕方


断る場面は3つあります。どれも、早めに・理由を一言・無視しない、の3つを守れば関係が悪くなることはありません。
紹介された求人を断る
「ご紹介ありがとうございます。勤務地が通勤圏外のため、今回は見送ります。1時間以内の求人があればお願いします。」
選考中・内定を辞退する
「他社で内定をいただき、そちらに入社を決めました。選考でお時間をいただいたのに申し訳ありません。企業様にもお詫びをお伝えいただけますか。」
利用をやめる(退会)
「転職先が決まったため、退会させてください。登録情報の削除もお願いします。」マイページに退会の手続きがあるサービスもあります。
退会するときは「情報の削除」まで頼む
口コミサイトには、退会したのに後から求人の案内が届いたという声もあります。退会を伝えるときは、登録情報の削除もあわせて依頼し、完了の連絡をもらっておくと安心です。
電話で引き留められても、メールで意思を残す
退会や辞退を伝えると、電話で理由を聞かせてほしいと言われることがあります。話したくなければ、メールで意思をはっきり書いて送れば十分です。書面に残しておけば、言った言わないにもなりません。
悪質だと感じたら|エージェントに課されたルールと相談先


転職エージェントは、職業安定法にもとづく許可を受けて営業しています。守るべきルールがあり、違反を相談できる窓口もあります。
お祝い金での勧誘と、2年以内の転職の勧めは禁止
「就職祝い金」などの名目でお金を渡して登録を勧めることは、2021年4月から禁止されています。紹介して就職させた人(期間の定めのない雇用の場合)に、就職から2年間、転職を勧めることも禁止です。
2025年1月からは、これらを守ることが職業紹介事業の許可の条件にも加わりました。
許可番号の確認と、相談先
エージェントの許可番号は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で検索できます。許可のない業者でないかを確かめられます。
ルール違反が疑われる対応を受けたときは、都道府県労働局の職業紹介事業を担当する部署に相談できます。
📚 出典:厚生労働省「職業安定法に基づく指針」(転職勧奨の禁止・就職祝い金の禁止)、厚生労働省「人材サービス総合サイト」。確認日 2026年9月25日。
よくある質問


転職エージェントは複数登録してもいいですか?
問題ありません。転職経験者への調査では2社の利用が最も多く、平均は2.3社でした。2〜3社で比べて、応募が本格化する前に絞るのが無理のない形です。
複数登録していることは担当者に伝えるべきですか?
伝えて構いません。同じ求人に別のエージェント経由で重複して応募するトラブルを防げます。どこから応募したかは自分でも記録しておいてください。
なぜ転職エージェントはしつこいのですか?
採用が決まったときに企業から報酬が支払われる仕組みだからです。職業安定法で、求職者から手数料を取ることは原則禁止されています。
最初に「情報収集中」「連絡はメールで」と伝えると、連絡はかなり落ち着きます。
紹介された求人の断り方が分かりません。
早めに返す・理由を一言添える・無視しない、の3つを守れば問題ありません。「勤務地の条件が合わないため見送ります」のように理由があると、次の紹介の精度も上がります。
使わなくなったエージェントはどうすればいいですか?
退会(登録解除)してください。登録したままだと求人の連絡が続きます。退会の方法は各サービスの問い合わせ窓口やマイページで確認できます。
登録すると「お祝い金」がもらえると言われました。大丈夫ですか?
注意してください。「就職祝い金」などの名目でお金を渡して登録を勧めることは、2021年4月から職業安定法の指針で禁止されています。許可番号を人材サービス総合サイトで確認し、気になる場合は都道府県労働局に相談してください。
まとめ


✅ まとめ
- しつこさは、採用が決まって初めて報酬が出る仕組みから来る
- 最初の面談で「温度感」と「連絡方法」を伝えれば落ち着く
- 断るときは、早めに・理由を一言・無視しない
- 内定1社までの平均応募は31.9社(doda)。1社の紹介だけでは足りないことがある
- 私はエージェント経由で約40社→面接1社、Indeedで10社→面接約6社→内定2社
- 登録は2〜3社+求人サイト。タイプの違うものを組み合わせる
- 応募先は一覧で管理し、重複応募を避ける。併用は担当者に伝えてよい
- お祝い金での勧誘や、就職後2年以内の転職の勧めは禁止されている


1つに頼らず、入口をいくつか持っておくのが大事ですね。









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