「年収400万円って、実際に使えるのはいくら?」「給料から何がいくら引かれてるの?」
求人票に書かれている給料と、実際に口座に振り込まれる金額は違います。転職で給料を比べるときも、手取りで考えないと「思ったより少ない」ということになりがちです。
この記事では、給料から引かれるお金の一覧と、月給・年収から手取りを計算する方法を、2026年度の最新の料率で解説します。年収別の早見表もつけました。
📖 この記事でわかること
- 額面と手取りの違い
- 給料から引かれるお金と、2026年度の料率
- 月給30万円の手取りを実際に計算
- 年収300万〜700万円の手取り早見表
- 2026年の税制改正・ボーナスの手取り・手取りを増やす方法
✅ 先に結論
手取りは、額面の給料から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)と税金(所得税・住民税)を引いた金額です。
会社員なら、手取りはおおむね額面の75〜80%が目安です。いちばん大きく引かれるのは厚生年金で、額面の9.15%です。
手取りの目安
額面の75〜80%
社会保険料の合計
約14.7%
いちばん大きいのは
厚生年金
📚 出典:協会けんぽ「令和8年度 都道府県単位保険料率」(東京都:健康保険9.85%・介護保険1.62%・子ども・子育て支援金0.23%、いずれも労使折半前)、日本年金機構(厚生年金保険料率18.3%)、厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」(一般の事業・労働者負担5/1000)。確認日 2026年10月17日。社会保険料の合計は東京都・40歳未満の場合。
手取りは額面の8割くらい。求人票の数字だけで比べたらあかんで。
手取りとは?額面との違い


| 意味 | どこに書いてある? | |
|---|---|---|
| 額面(総支給額) | 会社が払う給料の合計 | 求人票・給与明細の「総支給額」 |
| 手取り | 額面から社会保険料と税金を引いた、 実際に振り込まれる金額 | 給与明細の「差引支給額」 |
| 年収 | 1年間の額面の合計(ボーナス含む) | 源泉徴収票の「支払金額」 |
求人票の給料は、ほぼ「額面」
求人票に書かれている月給や年収は、ほとんどが額面の金額です。転職で今の給料と比べるときは、両方を手取りにそろえて比べると、実際の生活がどう変わるかが分かります。
年収が上がっても、社会保険料や税金も上がるので、手取りは額面ほどは増えません。
給与明細の見方
給与明細は、主に「支給」「控除」「差引支給額」の3つに分かれています。支給の合計が額面、控除が引かれたお金、差引支給額が手取りです。
控除の欄に、次の章で紹介する保険料や税金が並んでいます。一度、自分の明細と見比べてみてください。
給料から引かれるお金の一覧|2026年度の料率


| 引かれるお金 | 本人の負担(額面に対して) | ポイント |
|---|---|---|
| 健康保険 | 4.925% | 東京都・協会けんぽの場合。都道府県で違う |
| 介護保険 | 0.81% | 40〜64歳の人だけ |
| 子ども・子育て支援金 | 0.115% | 2026年4月分から新たに徴収 |
| 厚生年金 | 9.15% | 全国共通。いちばん大きい |
| 雇用保険 | 0.5% | 一般の事業の場合 |
| 所得税 | 5〜45%(課税される所得に対して) | 所得が多いほど税率が上がる |
| 住民税 | 約10%+均等割等5,000円 | 前の年の所得で決まる |
📚 出典:協会けんぽ「令和8年度 都道府県単位保険料率」(東京都:健康保険9.85%・介護保険1.62%・子ども・子育て支援金0.23%、いずれも労使折半前)、日本年金機構(厚生年金保険料率18.3%)、厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」(一般の事業・労働者負担5/1000)。確認日 2026年10月17日。/財務省「令和8年度税制改正」(ファイナンス2026年4月号)、国税庁の所得税の税率表。住民税は所得割10%・均等割等5,000円(標準税率)で計算。確認日 2026年10月17日。社会保険料は会社と半分ずつ負担した後の本人分。
社会保険料だけで、額面の約14.7%
東京都の協会けんぽで40歳未満の場合、健康保険・厚生年金・雇用保険・子ども・子育て支援金を合わせると、額面の約14.7%になります。40歳を過ぎると、介護保険の0.81%が加わります。
健康保険組合に入っている会社では、健康保険の料率が違うことがあります。
2026年4月分から「子ども・子育て支援金」が始まった
2026年度からは、健康保険料と一緒に「子ども・子育て支援金」が集められています。協会けんぽ(東京都)の料率は0.23%で、本人の負担はその半分の0.115%です。
月給30万円なら、本人の負担は月345円です。給与明細に新しい項目が増えていないか確かめてみてください。
月給30万円の手取りを計算してみる


📝 月給30万円(東京都・40歳未満・独身)の場合
300,000円
−14,775円
−345円
−27,450円
−1,500円
−約3,700円
−約12,600円
約24.0万円(額面の約80%)
📚 出典:記事内の計算は筆者が上記の料率・税率から計算した概算。条件:東京都・協会けんぽ・40歳未満・独身・扶養なし・賞与なし(年収÷12を月給とし、標準報酬月額=月給として計算)・所得税は令和8年分、住民税は同じ所得で計算した目安。
社会保険料は、月給×料率でおおよそ出せる
社会保険料は、月給をもとにした「標準報酬月額」に料率をかけて決まります。月給30万円なら、健康保険は30万円×4.925%で14,775円、厚生年金は30万円×9.15%で27,450円です。
実際の標準報酬月額は、4〜6月の給料の平均などで決まるので、月給とぴったり同じにはなりません。
所得税と住民税は、1年分を12で割った目安
所得税は毎月の給料から仮に引かれ、年末調整で1年分を精算します。住民税は前の年の所得をもとに、6月から翌年5月までの12回に分けて引かれます。
そのため、上の表の所得税と住民税は、1年分を12で割った目安です。転職1年目や、前の年に収入が少なかった人は、住民税が少なくなります。
手取りを自分で計算する4ステップ


📝 手取りの計算手順(年収から)
社会保険料を出す:年収×約14.7%(東京都・40歳未満の場合)
給与所得を出す:年収−給与所得控除(年収400万円なら124万円)
税金を出す:給与所得から社会保険料と基礎控除などを引き、所得税・住民税の税率をかける
手取りを出す:年収−社会保険料−所得税−住民税
給与所得控除
会社員の経費の代わり。年収360万〜660万円なら「年収×20%+44万円」
所得税の税率
課税される所得195万円以下は5%、330万円以下は10%、695万円以下は20%(控除額あり)
住民税
所得割は一律約10%。基礎控除は43万円で、所得税(104万円など)より小さい
📚 出典:財務省「令和8年度税制改正」(ファイナンス2026年4月号)、国税庁の所得税の税率表。住民税は所得割10%・均等割等5,000円(標準税率)で計算。確認日 2026年10月17日。所得税には別に復興特別所得税(所得税額の2.1%)がかかる。
年収400万円で計算してみると
年収400万円の場合、社会保険料は約58.8万円、給与所得は400万円−124万円で276万円です。そこから社会保険料と基礎控除104万円を引いた約113万円に5%をかけると、所得税は復興特別所得税を含めて約5.8万円になります。
住民税は、276万円から社会保険料と基礎控除43万円を引いた約174万円に10%をかけ、均等割などを足して約17.7万円です。手取りは約318万円になります。
ネットの「手取り計算ツール」と数字がずれる理由
計算ツールによって、使っている料率や税制の年度、住んでいる地域、年齢の設定が違うため、結果が数万円ずれることがあります。
2026年は所得税の基礎控除が変わったばかりなので、ツールを使うときは「令和8年分」に対応しているかも確かめてください。
年収別の手取り早見表|300万〜700万円


| 年収(額面) | 社会保険料 | 所得税 | 住民税 | 手取り(年) | 手取り(月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 44.1万円 | 2.8万円 | 11.7万円 | 約241万円 | 約20.1万円 |
| 400万円 | 58.8万円 | 5.8万円 | 17.7万円 | 約318万円 | 約26.5万円 |
| 500万円 | 73.5万円 | 9.1万円 | 24.2万円 | 約393万円 | 約32.8万円 |
| 600万円 | 88.1万円 | 14.9万円 | 30.7万円 | 約466万円 | 約38.9万円 |
| 700万円 | 102.8万円 | 27.8万円 | 37.7万円 | 約532万円 | 約44.3万円 |
📚 出典:記事内の計算は筆者が上記の料率・税率から計算した概算。条件:東京都・協会けんぽ・40歳未満・独身・扶養なし・賞与なし(年収÷12を月給とし、標準報酬月額=月給として計算)・所得税は令和8年分、住民税は同じ所得で計算した目安。
年収が上がるほど、手取りの割合は下がる
早見表では、年収300万円の手取りは額面の約80%ですが、年収700万円では約76%に下がります。所得税は所得が多いほど税率が上がる仕組みだからです。
それでも、年収が上がれば手取りの金額そのものは増えます。早見表では、年収が100万円上がると、手取りはおおむね65〜76万円増える計算です。
早見表は「条件つきの目安」
この早見表は、東京都・40歳未満・独身・ボーナスなしという条件で計算した目安です。40歳以上なら介護保険、扶養する家族がいれば所得税や住民税、住んでいる都道府県なら健康保険の料率で、手取りは変わります。
正確な金額は、会社の給与明細や源泉徴収票で確かめてください。
2026年の税制改正で、手取りはどう変わる?


| 合計所得(給料なら年収から給与所得控除を引いた額) | 令和8年分の基礎控除 |
|---|---|
| 489万円以下 | 104万円 |
| 489万円超〜655万円以下 | 67万円 |
| 655万円超〜2,350万円以下 | 62万円 |
📚 出典:財務省「令和8年度税制改正」(ファイナンス2026年4月号)、国税庁の所得税の税率表。住民税は所得割10%・均等割等5,000円(標準税率)で計算。確認日 2026年10月17日。令和8年・9年分の特例を含む。
所得税の基礎控除が大きく上がった
2026年度の税制改正で、所得税の基礎控除の本則が58万円から62万円に上がりました。さらに令和8年・9年分は、所得に応じて上乗せがあり、年収600万円台くらいまでの会社員なら、基礎控除は104万円になります。
基礎控除が増えると、税金のかかる所得が減るので、所得税が少なくなります。給与所得控除の最低保障額も引き上げられました。
毎月の給料ではなく、年末調整で戻ってくる
財務省の説明では、改正の初年は毎月の源泉徴収では対応せず、年末調整から反映するとされています。つまり、2026年分の所得税の減税分は、毎月の手取りではなく、12月ごろの年末調整でまとめて戻ってくる形になります。
住民税の基礎控除(43万円)は、この改正では変わっていません。
ボーナスの手取りはどう計算する?


社会保険料
月給と同じ料率で引かれる(健康保険・厚生年金・雇用保険など)
所得税
前の月の給料の金額などをもとに決まる率で引かれる
住民税
ボーナスからは引かれない。毎月の給料から引かれる
ボーナスも、手取りは額面の8割前後が目安
ボーナスからも、社会保険料と所得税が引かれます。住民税はボーナスからは引かれないので、月給より少し手取りの割合が高くなることがあります。
ボーナスの所得税の率は、前の月の給料の金額や扶養の人数で決まります。
求人票の「年収」にはボーナスが入っていることが多い
求人票の「想定年収」には、ボーナスが含まれていることがよくあります。ボーナスは会社の業績で変わることがあるので、転職先を比べるときは、月給とボーナスを分けて確かめておくと安心です。
転職・退職したときの手取りの注意点


転職1年目は、住民税が前の会社の給料で決まる
住民税は前の年の所得をもとに決まるので、転職して給料が下がっても、1年目の住民税は前の会社の給料で計算された金額のままです。
そのため、転職1年目は思ったより手取りが少なく感じることがあります。反対に、給料が上がった場合は、翌年の6月から住民税が上がります。
退職したあとは、保険料と住民税を自分で払う
会社を辞めると、健康保険と年金は国民健康保険と国民年金などに切り替わり、住民税も自分で納めることになります。給料がない時期にもこれらの支払いが続くので、退職前に生活費とあわせて準備しておきましょう。
退職後にもらえるお金は、別の記事でまとめています。


手取りを増やすには?


節税より、額面を上げるほうが効く
社会保険料や税金は、法律で決まった料率で引かれるので、会社員が自分で減らせる部分はあまりありません。iDeCoやふるさと納税などで税金を減らす方法もありますが、手取りを大きく増やすには、額面の給料を上げるのがいちばんの近道です。
今の会社で昇給が見込めないなら、転職で年収を上げることも考えてみてください。
転職で年収が下がる場合は、手取りで考える
転職で額面が下がっても、手取りの差は額面ほど大きくないことがあります。早見表では、年収500万円と400万円の手取りの差は約75万円で、額面の差の100万円より小さくなります。
転職で年収が下がるときの考え方は、別の記事でまとめています。


よくある質問


手取りは額面の何割くらいですか?
会社員ならおおむね75〜80%が目安です。年収が上がるほど所得税の税率が上がるため、手取りの割合は少しずつ下がります。
年収400万円の手取りはいくらですか?
東京都・40歳未満・独身・ボーナスなしの条件で計算すると、年間約318万円、月約26.5万円が目安です。家族構成や住んでいる地域で変わります。
2026年から手取りは増えますか?
所得税の基礎控除が上がったため、多くの会社員は所得税が少なくなります。ただし改正の初年は毎月の給料ではなく、年末調整で反映されます。一方で、2026年4月分から子ども・子育て支援金の負担が始まっています。
40歳になると手取りが減るのはなぜですか?
40歳から64歳までの人は、介護保険料が健康保険料に加わるためです。協会けんぽの場合、本人の負担は額面の0.81%です。
手取り20万円だと、額面はいくらですか?
この記事の早見表の条件では、年収300万円(月給25万円)で手取りが月約20.1万円です。手取り20万円なら、額面はおおむね月給25万円前後が目安です。
手取り30万円だと、年収はいくらですか?
早見表の条件で計算すると、手取りで年360万円(月30万円)になるのは、年収およそ450〜460万円です。ボーナスの有無や家族構成で変わります。
ボーナスから住民税は引かれますか?
引かれません。住民税は毎月の給料から12回に分けて引かれます。ボーナスからは社会保険料と所得税が引かれます。
まとめ


✅ まとめ
- 手取り=額面−社会保険料−所得税−住民税
- 会社員の手取りは額面の75〜80%が目安
- 社会保険料だけで約14.7%(東京都・40歳未満)。40歳から介護保険が加わる
- 2026年は所得税の基礎控除が上がり、年末調整で戻ってくる
- 手取りを大きく増やすには、額面の給料を上げるのが近道
自分の給与明細で、引かれているお金を確かめてみます。









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