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求人票の見方|法定項目と2024年に増えた3つの記載義務

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求人票、どこを見ればいいのか分からない。

給与欄の「月給25万〜40万円」は結局いくらなのか。年間休日120日は多いのか。みなし残業40時間はどう受け止めればいいのか。

求人票は職業安定法で記載事項が決まっている書類です。読み方さえ分かれば、書かれていることと書かれていないことの両方から、かなりのことが読み取れます。

この記事では、転職者が実際に迷う項目に絞って、求人票の各欄をどう読むかを解説します。2024年4月に追加された新しい記載義務も押さえます。

📖 この記事でわかること

  • 求人票に必ず書かれていなければならない項目
  • 2024年4月から追加された3つの記載義務
  • 給与欄の幅・固定残業代の正しい読み方
  • 年間休日の平均は何日か(112.4日)
  • 書かれていないことから読み取れること

📊 結論早見|求人票で最初に見る5項目

賃金

幅の下限が自分の想定額か。固定残業代が別記されているか

変更の範囲

2024年4月から必須。業務と就業場所がどこまで変わり得るか

年間休日

1企業平均は112.4日。120日なら平均より多い

時間外労働

「月平均◯時間」の記載があるか。無記載は確認事項

契約期間

有期なら更新の基準と上限まで書かれているか

🔎 大原則

求人票の項目は法律で決まっています。だから「書いていない」こと自体が情報になります。

書くべきことが曖昧なまま募集している会社は、入社後の条件も曖昧なままになりがちです。判断材料は、書かれた数字だけではありません。

出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」/「令和7年 就労条件総合調査」。確認日 2026年9月13日。

目次

求人票に必ず書かれている項目|法律で決まっている

書類を確認する手元

求人票は自由に書ける広告ではありません。職業安定法施行規則で、明示しなければならない労働条件が決められています。

スクロールできます
項目記載例
業務内容(雇入れ直後)一般事務(変更の範囲)●●事務
契約期間期間の定めあり(2024年4月1日〜2025年3月31日)
契約の更新・更新上限有(●●により判断する)/通算契約期間の上限●年
試用期間試用期間あり(3か月)
就業場所(雇入れ直後)東京本社(変更の範囲)●●支社
就業時間・休憩時間9:30〜18:30/12:00〜13:00
休日土日、祝日(年末年始を含む)
時間外労働あり(月平均20時間)
賃金月給25万円(ただし試用期間中は月給20万円)
加入保険雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険
受動喫煙防止措置屋内禁煙
募集者の氏名または名称○○株式会社
出典:厚生労働省「2024年4月から、労働者の募集や職業紹介事業者への求人の申込みの際、明示しなければならない労働条件が追加されます」。確認日 2026年9月13日
ライ

これ全部、書かないといけないんだ?

ひすい

そう。だから抜けてたら、それ自体がサインになるんだよ。

2024年4月から3項目が追加された

改正職業安定法施行規則により、2024年4月1日から①従事すべき業務の変更の範囲 ②就業場所の変更の範囲 ③有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)の3つが明示事項に加わりました。

「変更の範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず将来の配置転換など今後の見込みも含めた、契約期間中における変更の範囲のことです。ここは転職者にとって特に重要な追加です。

「変更の範囲」で転勤と職種転換が読める

厚生労働省の記載例では、就業場所について「(雇入れ直後)大阪支社(変更の範囲)本社および全国の支社、営業所」といった書き方が示されています。全国転勤の可能性がここに出ます

業務内容も同様で「(雇入れ直後)法人営業(変更の範囲)製造業務を除く当社業務全般」なら、営業以外に回される可能性が明示されていることになります。入社前にここを読んでおけば「話が違う」を減らせます

有期契約なら「更新の基準」を必ず見る

有期契約の場合、更新の有無だけでなくどういう基準で判断するかまで書く必要があります。厚労省は「勤務成績、態度により判断する」「会社の経営状況により判断する」など具体的に書くことが望ましいとしています。

逆に「諸般の事情を総合的に考慮したうえで判断する」といった抽象的な書き方は望ましくないとされています。この表現を見かけたら、面接で具体的に聞いてよい部分です。通算契約期間や更新回数の上限も確認してください。

「詳細は面談時に」は違法ではない

求人広告のスペースが足りないなど、やむを得ない場合は「詳細は面談時にお伝えします」と付したうえで、一部を後から明示することも認められています。

ただし条件があります。原則として、面接など求職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があります。面接まで進んでも条件が出てこないなら、その時点で聞くのは当然の権利です。

給与欄の読み方|幅と固定残業代に注意する

電卓と書類で条件を計算する机

いちばん見られていて、いちばん誤読されやすいのが給与欄です。数字をそのまま受け取らないことが大事です。

「25万〜40万円」の40万は、たいてい自分ではない

給与に幅がある場合、上限はその職種で最も経験のある人に提示し得る額です。未経験や経験の浅い人が上限で入ることはまずありません。

読むときは下限を自分の想定額として計算するのが安全です。下限が受け入れられない金額なら、その求人は検討対象から外していい、という判断ができます。

固定残業代は3点セットで書かれていなければならない

いわゆる「みなし残業」を採用する場合、厚生労働省は次の3つを記載するよう求めています。

(1) 基本給(手当を除く額)/(2) 手当が何時間分の時間外手当としていくらか/(3) その時間を超えた分は追加で支給すること

この3つが揃っていない求人票は、書き方として不十分です。とくに(3)がない場合、超過分が支払われるのかどうかが読み取れません。面接で確認すべき項目になります。

「月給30万円(固定残業45時間含む)」を分解する

この書き方だと、30万円の中に45時間分の残業代が入っています。基本給はもっと低いということです。

基本給が下がると、賞与や退職金の算定基礎にも影響することがあります。また45時間という設定自体、その時間まで働くことが前提の職場だと読むのが自然です。金額の大きさだけで比較すると、実態を取り違えます。

試用期間中の条件が違うことがある

厚労省の記載例にも「月給25万円(ただし、試用期間中は月給20万円)」という書き方が示されています。試用期間中は給与が下がる会社があります

試用期間の長さと、その間の条件は明示事項です。書かれていなければ確認してください。3か月なのか6か月なのか、その間の社会保険はどうなるのかまで押さえておくと、入社後のずれが減ります。

休日と残業|平均と比べて判断する

カレンダーを見て休日を数える手元

「年間休日120日」が多いのか少ないのか。基準を知らないと判断できません。公的な平均値があります。

企業規模1企業平均の年間休日完全週休2日制の割合
1,000人以上117.7日77.9%
300〜999人116.2日73.2%
100〜299人114.5日70.7%
30〜99人111.2日62.6%
全体112.4日65.5%
2024年1年間の年間休日総数。出典:厚生労働省「令和7年 就労条件総合調査」。確認日 2026年9月13日

年間休日の平均は112.4日

1企業平均は112.4日、労働者1人平均は116.6日で、いずれも昭和60年以降で最も多くなっています。

つまり「年間休日120日」は平均より多い部類です。逆に105日前後だと平均を下回ります。ただし規模による差が大きく、30〜99人の企業では111.2日が平均なので、応募先の規模と合わせて見るのが正確です。

「週休2日制」と「完全週休2日制」は違う

求人票でよく混同される部分です。「完全週休2日制」は毎週必ず2日休み。単なる「週休2日制」は、月に1回でも2日休みの週があれば名乗れます。

完全週休2日制を採用している企業は65.5%(前年56.7%)。規模別では1,000人以上77.9%に対し30〜99人62.6%です。求人票に「完全」の2文字があるかどうかを必ず確認してください

時間外労働は「月平均◯時間」で書かれる

時間外労働は明示事項です。厚労省の記載例は「あり(月平均20時間)」。数字が入っているのが本来の形です。

「あり」だけで時間の記載がない、あるいは欄が空白という場合は、確認する価値があります。裁量労働制を採用している場合も、その旨と何時間働いたものとみなすかを書く必要があります。

有給の取得日数も基準がある

求人票に有給の取得実績が書かれていることがあります。判断の目安として、労働者1人平均の付与日数は18.1日、取得日数は12.1日(いずれも過去最多)。

取得率にすると約67%です。「有給取得率◯%」と書かれていたら、この12.1日・67%と比べると位置づけが分かります。書かれていない場合は、面接で実績を聞いて構いません。

ハローワークの求人票と転職サイトの違い

相談窓口で職員と話す相談者

同じ会社の求人でも、どこで見るかによって載っている情報が変わります。使い分けを知っておくと精度が上がります。

スクロールできます
項目ハローワーク転職サイト・エージェント
掲載費用企業は無料企業が費用を負担
様式全国共通のフォーマット媒体ごとに自由度が高い
載る情報法定項目が漏れなく並ぶ写真・社員の声など訴求が厚い
比べやすさ同じ項目同士で比較しやすい媒体をまたぐと比較しにくい
相談先窓口で職員に相談できる担当者が付く場合がある
一般的な運用の違いをまとめたもの

ハローワークは「比較の物差し」として使える

ハローワークの求人票は全国共通の様式なので、どの会社も同じ項目が同じ場所に並びます。年間休日、時間外労働、賃金の内訳を横に並べて比べるには、この均質さが強みになります。

応募するかどうかは別として、気になる業界の求人票を数枚見るだけで相場感がつかめます。転職サイトの華やかな紹介文を読む前に、こちらで数字の基準を作っておくと判断がぶれません。

同じ会社を両方で見ると差が分かる

気になる会社が両方に出ていたら、並べて読んでみてください。同じ求人なのに提示条件や業務内容の書きぶりが違うことがあります。

違いがあること自体が悪いわけではありません。媒体によって書ける分量が違うためです。ただし金額や休日数といった数字が食い違っていたら、それは面接で確認すべき点です。

窓口で相談できるのはハローワークの強み

求人票の読み方が分からないとき、ハローワークでは職員に直接聞けます。求人内容について企業へ確認してもらえる場合もあります。

費用はかかりません。転職サイトだけで完結させようとして行き詰まっている人ほど、一度窓口で求人票を一緒に読んでもらう価値があります。利用できるサービスの範囲は地域や状況で異なるので、最寄りの窓口で確認してください。

明示のルールはどちらにも適用される

2024年4月に追加された明示事項は、ハローワークへの求人申込みだけでなく、自社ホームページでの募集や求人広告の掲載にも適用されます

つまり転職サイトの求人でも、業務と就業場所の変更の範囲は書かれているはずです。見当たらない場合は、媒体の表示形式の問題か、企業側の記載漏れか——どちらにせよ応募前に確認していい部分です。

書いていないことから読み取る

相談窓口で書類を見ながら相談する様子

項目が法律で決まっているということは、欠けている項目には理由があるということです。ここが求人票を読む最大のコツです。

✅ 書いてあると安心

  • 時間外労働の月平均時間
  • 固定残業代の3点セット
  • 変更の範囲が具体的
  • 更新の判断基準が具体的

❓ 確認したいサイン

  • 給与の幅が異常に広い
  • 時間外の時間数が空欄
  • 「諸般の事情を考慮し」等の抽象表現
  • 同じ求人が長期間出続けている

数字を書かない自由はない

時間外労働も賃金も休日も、明示すべき労働条件です。書けるのに書いていないのか、書きたくないのか——どちらにせよ、応募者が確認していい部分です。

「聞いたら印象が悪くなるのでは」と遠慮する人が多いのですが、法律上明示すべき事項について尋ねているだけです。それで態度が変わる会社なら、入社後も同じ対応になります。

条件が変わったら明示する義務がある

面接の過程で、当初示された条件が変わることがあります。この場合、企業には変更内容を明示する義務があり、しかも速やかに行う必要があります

口頭で「だいたいこのくらい」と言われて終わり、というのは本来の形ではありません。内定の段階では、労働条件通知書などの書面で最終的な条件を確認してください。労働契約締結時には労働基準法に基づく明示も必要です。

求人票と実際の条件が違ったとき

求人票の内容と実際の労働条件が異なる場合、ハローワーク経由の求人であればハローワークの窓口に申し出ることができます。全国のハローワークには求人ホットラインなどの相談先が設けられています。

入社してしまってからでも相談は可能です。ひとりで抱えずに、まず公的な窓口に事実を伝えることをおすすめします。具体的な手続きは、最寄りのハローワークや労働局で確認してください。

求人票だけで決めない

ここまで読み方を書いてきましたが、求人票から分かるのは条件の枠組みだけです。実際の働きやすさ、人間関係、評価のされ方は書かれていません。

転職理由の上位が「労働時間・休日等の労働条件」と「職場の人間関係」であることを踏まえると、後者は求人票では絶対に分からない領域です。面接で現場の人と話す機会を作る、可能なら職場を見せてもらう。書類の外での確認が要ります。

こはく

書いてないことに気づけるようになるのが、いちばん強いね。

転職理由として実際に何が多いのかは、別の記事で公的統計から整理しています。

給与欄の内訳が後々どう効いてくるかは、基本給の記事で解説しています。

よくある質問

よくある質問セクションの見出し画像

求人票で最初に見るべき項目はどこですか?

賃金の下限額、業務と就業場所の「変更の範囲」、年間休日、時間外労働の月平均時間、契約期間の5つです。

とくに「変更の範囲」は2024年4月から明示が義務づけられた項目で、転勤や職種転換の可能性がここに出ます。入社後の「話が違う」を防ぐうえで最も効きます。

年間休日120日は多いほうですか?

多いほうです。厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると、年間休日総数の1企業平均は112.4日、労働者1人平均は116.6日でした。

ただし企業規模で差があり、1,000人以上は117.7日、30〜99人は111.2日です。応募先の規模と合わせて比べてください。

「週休2日制」と「完全週休2日制」は何が違いますか?

完全週休2日制は毎週必ず2日休みがある制度です。単に「週休2日制」と書かれている場合は、月に1回でも2日休みの週があれば該当します。

完全週休2日制を採用している企業は65.5%で、1,000人以上では77.9%、30〜99人では62.6%です。求人票に「完全」の2文字があるかを必ず確認してください。

固定残業代はどう書かれているのが正しいですか?

厚生労働省は3点の記載を求めています。

(1) 基本給が手当を除いていくらか、(2) 手当が何時間分の時間外手当としていくらか、(3) その時間を超えた分の割増賃金は追加で支給すること、の3つです。

とくに(3)が書かれていないと超過分の扱いが読み取れないため、面接で確認する価値があります。

求人票の内容と実際の条件が違ったらどうすればいいですか?

企業には、当初明示した労働条件が変更になった場合に速やかに変更内容を明示する義務があります。

ハローワーク経由の求人であれば、内容が異なる場合にハローワークの窓口へ申し出ることができ、求人ホットラインなどの相談先も設けられています。

入社後でも相談は可能です。具体的な手続きは最寄りのハローワークや労働局で確認してください。

まとめ

まとめセクションの見出し画像

✅ まとめ:求人票の見方

  • 求人票の記載項目は職業安定法施行規則で決まっている
  • 2024年4月から「業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「更新の基準」が追加
  • 給与に幅があるときは下限を自分の額として計算する
  • 固定残業代は基本給・時間数と金額・超過分の扱いの3点セットが必要
  • 年間休日の1企業平均は112.4日。120日は平均より多い
  • 完全週休2日制は65.5%。「完全」の2文字を確認する
  • 書かれていない項目は、確認していい項目

出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」/「令和7年 就労条件総合調査」/「令和6年 雇用動向調査」。確認日 2026年9月13日。制度・統計は更新されます。

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