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終身雇用は本当に崩壊した?新卒から同じ会社の人は何%か

終身雇用は崩壊したのかを数字で検証する記事のアイキャッチ

新卒で入った会社に、今もいる人はどれくらいいるんでしょうか。

「終身雇用はもう終わった」と言われて何年も経ちます。一方で、まわりを見れば定年まで勤め上げそうな先輩もいる。どちらが本当なのか、はっきりしません。

総務省の調査には、この疑問にほぼ直接答える数字があります。35〜44歳で「今の会社が最初の会社」の人は44.7%。半数を切っています。

この記事では、同じ会社に居続けている人の割合と平均勤続年数を公的統計で確認し、「終身雇用の崩壊」がどこまで本当なのかを整理します。

📖 この記事でわかること

  • 新卒から一度も会社を変えていない人の割合(年代別・男女別)
  • 平均勤続年数から逆算した「1社で勤め上げる」の現実味
  • 1980年と比べると勤続年数はむしろ伸びているという事実
  • そもそも終身雇用は制度なのか、慣行なのか
  • 「1社に残る」を選ぶ場合に確認しておきたいこと

📊 結論早見|同じ会社に居続けている人はどれくらいか

35〜44歳

44.7%

同・男性

51.1%

同・女性

36.8%

平均勤続年数

55〜59歳男性で22.8年(1社勤め上げなら約35年必要)

1980年比

13.7年→22.8年。むしろ長くなっている

5年間で離職

1,995万人が前職を辞めている

🔎 ひとことで言うと

「新卒から1社」はもう多数派ではないが、少数派でもない——40歳前後でちょうど半々に割れます。

そして意外なことに、平均勤続年数そのものは40年前より長くなっています。崩れたのは勤続の長さではなく、「1社に居れば安泰」という前提のほうです。

出典:総務省「令和4年 就業構造基本調査」/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」。確認日 2026年9月13日。

目次

終身雇用とは何か|法律ではなく「慣行」である

長く勤めるベテラン社員と若手が並ぶオフィス

数字を見る前に、言葉の中身を揃えておきます。ここを曖昧にしたまま「崩壊した/していない」を論じても噛み合いません。

ライ

終身雇用って、そもそも法律で決まってるものなの?

ひすい

決まってないよ。だから「廃止された日」も存在しないんだ。

新卒で入った会社に定年まで勤め続ける雇用のあり方

終身雇用とは、学校を卒業してすぐ入った会社に定年まで勤め続け、企業側も原則として解雇しないという雇用のあり方を指します。

ポイントは「労働者が辞めない」と「会社が辞めさせない」がセットになっていることです。片方だけでは終身雇用とは呼びません。だからこそ、どちらが崩れたのかを分けて考える必要があります。

法律に「終身雇用」という条文はない

労働基準法にも労働契約法にも、終身雇用という制度は書かれていません。高度経済成長期に日本企業のあいだで定着した慣行です。

制度ではないので、導入の法律も廃止の法律も存在しません。「終身雇用はいつ崩壊したのか」という問いに日付で答えられないのは、そもそも日付を持つ種類のものではないからです。

年功序列・企業別労働組合とセットで語られてきた

終身雇用は、年功序列型の賃金と企業別の労働組合と合わせて「日本的雇用の三種の神器」と呼ばれてきました。3つは互いに支え合う関係にあります。

長く勤めるほど賃金が上がるから辞めない。辞めないから企業は教育投資を回収できる。組合も企業単位でまとまる。どれか一つが緩むと、残りも維持しにくくなる構造です。近年「終身雇用が崩れた」と言われる場面の多くは、実際には年功序列のほうが先に緩んでいます。

「解雇されにくい」ほうは今も残っている

日本では、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は無効とされています(労働契約法第16条)。会社側から一方的に辞めさせにくいという部分は、法律として現在も生きています

つまり終身雇用の2つの柱のうち、「会社が辞めさせない」側は法的な裏付けを持ったまま残り、「労働者が辞めない」側と「居続ければ報われる」という期待のほうが薄れてきた——これがこの記事で数字を見ていく前提になります。

新卒から同じ会社にいる人は何%か|44.7%という実数

長年使い込まれたデスクまわりの手元

総務省の就業構造基本調査には「初職と現職の関係」という項目があります。最初に就いた仕事と今の仕事が同じかどうかを聞いた、まさにこの疑問のための数字です。

年齢男女計男性女性
15〜24歳80.6%81.9%79.2%
25〜34歳58.1%62.9%52.6%
35〜44歳44.7%51.1%36.8%
45〜54歳49.9%56.1%42.0%
有業者のうち「現職が初職」の人の割合。出典:総務省「令和4年 就業構造基本調査」第134表。確認日 2026年9月13日
ライ

35〜44歳で44.7%……ちょうど半分くらいってこと?

ひすい

そう。多数派でも少数派でもない、というのが今の答えなんだ。

40歳前後で「1社目のまま」は半数を切る

15〜24歳では80.6%が「現職が初職」ですが、これは働き始めたばかりなので当然です。意味があるのは、キャリアが一巡した後の数字のほうです。

25〜34歳で58.1%、35〜44歳で44.7%。40歳前後を境に、最初の会社に残っている人は少数側に回ります。有業者3,778万人のうち「現職が初職」は2,106万人で、全体でも55.7%です。

男女で14ポイント以上の差がある

35〜44歳で見ると、男性51.1%に対して女性36.8%。14.3ポイントの差です。45〜54歳でも男性56.1%・女性42.0%で、差はほとんど縮まりません。

女性は結婚・出産・育児・介護で職を離れる場面が多く、同じ調査でも「出産・育児のため」に前職を辞めた人が69.6万人、「介護・看護のため」が47.4万人います。「同じ会社に居続けられるかどうか」は、能力や意欲だけの話ではないということが数字に出ています。

この数字を読むときの注意点

この統計表の集計対象は「1993年(平成5年)以降に初職に就いた人」に限られています。そのため45〜54歳の行は、その年代のうち働き始めが遅かった層に寄っている可能性があり、35〜44歳より高く出ているのはその影響とみられます。

信頼して使えるのは25〜34歳と35〜44歳の行です。それより上の年代については、次に見る平均勤続年数のほうが実態に近い指標になります。

「初職」にはアルバイトも含まれる

初職とは最初に就いた仕事のことで、正社員に限りません。学校を出てすぐ非正規で働き始めた人は、その仕事が初職になります。

つまり44.7%の中には「新卒で入った会社にずっといる正社員」だけでなく、「最初のアルバイト先に今もいる人」も含まれます。純粋な意味での終身雇用コースは、この数字よりさらに少ないと考えるのが妥当です。

この「初職と現職の関係」からは、転職回数の分布も計算できます。

平均勤続年数で検証する|22.8年と35年のギャップ

定年間際の社員が社内を眺める様子

もうひとつの角度が勤続年数です。「1社で勤め上げる」が普通なら、定年間際の人の勤続年数は40年近くになるはずです。

スクロールできます
年齢男性女性
30〜34歳7.0年6.2年
35〜39歳10.1年8.7年
40〜44歳13.1年10.7年
45〜49歳16.4年12.3年
50〜54歳20.1年14.3年
55〜59歳22.8年16.2年
60〜64歳21.6年17.1年
年齢階級別平均勤続年数(一般労働者・2025年)。出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(労働政策研究・研修機構の長期統計より)。確認日 2026年9月13日

12年分、足りない

55〜59歳の中央あたり、57歳の人を考えます。22歳で新卒入社してずっと1社なら、勤続は35年になっているはずです。

実際の平均は男性で22.8年。差は約12年あります。この12年は、途中で会社を変えた人が平均を押し下げた分です。「1社勤め上げ」が全員なら生じない差が、はっきり出ています。

女性はさらに16.2年まで下がる

55〜59歳女性の平均勤続年数は16.2年で、男性より6.6年短くなります。50〜54歳では男性20.1年・女性14.3年で、差は5.8年です。

前の章で見た「現職が初職」の男女差14ポイントと、方向がぴったり一致します。2つの別々の調査が同じことを言っているので、この男女差は統計のクセではなく実態と考えていいはずです。

30代で7年、40代で13年

30〜34歳男性の平均勤続年数は7.0年です。22歳入社なら10年目前後の年代なので、ここでもすでに3年分の差があります。

40〜44歳で13.1年(1社なら20年)、45〜49歳で16.4年(同25年)。どの年代を切っても、平均は「1社勤め上げ」の想定を下回り続けます

5年間で1,995万人が前職を辞めている

同じ就業構造基本調査によれば、直近5年間に前職を辞めた人は1,994.6万人。うち再就職した転職就業者が1,245.7万人、辞めたまま働いていない人が748.9万人です。

離職理由のトップは「労働条件が悪かったため」232.6万人。次いで「病気・高齢のため」215.9万人、「定年のため」173.0万人と続きます。5年前と比べて最も増えたのは「自分に向かない仕事だった」(+25.3万人)でした。

日本全体の勤続年数は40年で1.5倍|8.2年から12.7年へ

複数の書類を見比べる手元

55〜59歳という一点ではなく、労働者全体の平均で見ても同じ方向が出ます。ここは通説と最もずれる部分です。

スクロールできます
男女計男性女性
1976年8.2年9.5年5.3年
1985年10.3年11.9年6.8年
1995年11.3年12.9年7.9年
2005年12.0年13.4年8.7年
2015年12.1年13.5年9.4年
2025年12.7年14.2年10.4年
一般労働者の平均勤続年数。出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(労働政策研究・研修機構の長期統計より)。確認日 2026年9月13日

下がった年がほとんどない

1976年の8.2年から2025年の12.7年まで、約50年で4.5年伸びています。倍率にすると1.5倍です。

途中でバブル崩壊もリーマンショックも就職氷河期もありましたが、平均勤続年数が大きく落ち込んだ年はありません。2000年代に12.0年前後で足踏みした時期はあるものの、トレンドとしては一貫して右肩上がりです。

伸びを牽引しているのは女性

男性は9.5年→14.2年で4.7年の増加。女性は5.3年→10.4年で5.1年増え、伸び幅は女性のほうが大きくなっています。

1976年時点で男女差は4.2年ありましたが、2025年は3.8年まで縮まりました。育児休業制度の整備などで、結婚・出産を機に辞めなくても済む人が増えたことが背景にあると考えられます。ただし前の章で見たとおり、40代以降の差はまだはっきり残っています

短時間労働者は6.5年|半分しかない

同じ調査で短時間労働者の平均勤続年数は6.5年です。一般労働者12.7年のちょうど半分ほどしかありません。

ただしこちらも2005年の4.6年から6.5年へと伸びています。正社員かどうかにかかわらず、同じ職場に留まる期間は長くなる方向で動いている、というのがこの50年の実像です。

2,128万人は最初から終身雇用の外側にいる

一方で、総務省の労働力調査によれば非正規の職員・従業員は2,128万人います(2025年平均)。

終身雇用が崩れたかどうかを議論できるのは、そもそもその枠に入っている人だけです。働く人の相当数にとって、終身雇用は最初から選択肢になかった——この前提を抜きに「崩壊」を語ると、話が実態からずれていきます。

昔のほうが1社に長くいた、は本当か|数字は逆を示す

古いビルと新しいビルが並ぶオフィス街

ここが、この記事でいちばん意外な部分かもしれません。終身雇用が当たり前だったとされる時代と比べてみます。

📈 55〜59歳男性の平均勤続年数

1980年

13.7年

2025年

22.8年

「終身雇用の全盛期」とされる1980年のほうが、勤続年数は9.1年短い

ライ

え、逆じゃないの?昔のほうが定年まで勤めてたイメージだけど。

ひすい

イメージが強すぎるだけで、統計はずっとそう言ってるんだよ。

定年の延長が数字を押し上げている

1980年当時、多くの企業の定年は55歳でした。55〜59歳の人はすでに定年を過ぎて再就職している場合が多く、勤続年数がリセットされていたわけです。

その後、60歳定年の義務化、65歳までの雇用確保措置と制度が変わり、同じ会社に居続けられる期間そのものが伸びました。22.8年という数字は「みんなが辞めなくなった」のではなく「辞めなくてよくなった」結果です。

それでも「崩壊した」と感じるのはなぜか

勤続年数が伸びているのに終身雇用が崩れたと感じるのは、崩れたのが「長さ」ではなく「保証」だからです。

1社に居続けること自体は今も可能です。ただし、居続ければ給料が上がり、役職が付き、定年まで守られる——というセットが外れました。同じ会社に長くいても、それが報われるとは限らない。この不安が「崩壊」という言葉で表現されているのだと思います。

そもそも終身雇用は法律上の制度ではない

終身雇用は、労働基準法などに書かれた制度ではありません。高度経済成長期に定着した日本企業の慣行です。年功序列・企業別労働組合と合わせて「日本的雇用の三種の神器」と呼ばれてきました。

慣行なので、廃止の宣言も施行日もありません。企業ごとに、静かに前提が変わってきた——それが実態です。だから「いつ崩壊したのか」を特定できる日付は存在しません。

数値の比較には注意書きがある

賃金構造基本統計調査は2020年以降、推計方法などが変更されています。統計を公表している労働政策研究・研修機構も、過去の公表値との単純比較には注意が必要だと明記しています。

1980年の13.7年と2025年の22.8年を並べるときは、この点を踏まえて「大きな傾向として長くなっている」程度に読むのが安全です。

1社に残る選択をするなら|確認しておきたいこと

自宅で今後の働き方を考える様子

残るのも動くのも、どちらかが正解というものではありません。ただ残る場合には、昔と違って前提の確認が要ります。

✅ 残る強み

  • 退職金・企業年金の算定で有利になりやすい
  • 社内の人脈と信用がそのまま使える
  • 転職活動の時間と体力を使わずに済む

❌ 残る弱み

  • 社外で通じるスキルの棚卸しをしないまま年数が過ぎる
  • 会社の業績悪化が、そのまま自分のリスクになる
  • 賃金が上がる保証は今の制度上どこにもない

退職金規程を一度は自分の目で読む

「長くいれば退職金が増える」は、多くの会社で今も事実です。ただし増え方は会社ごとにまったく違い、勤続年数のどこで大きく跳ねるかも規程次第です。

就業規則や退職金規程は、従業員が見られる場所に備え置くことが労働基準法で定められています。残ると決めるなら、自分の会社の実際の条文を一度は確認しておく価値があります。

社外で通じる言葉に翻訳できるか試す

長く1社にいると、自分の仕事を社内用語でしか説明できなくなります。これは動くつもりがなくても危険で、会社側の都合で動かざるを得なくなったときに一気に効いてきます

年に一度でいいので、職務経歴書の形式で自分の仕事を書き出してみることをおすすめします。書けない期間があるなら、それがそのまま社外評価の空白になります。

「辞められない」と「辞めない」を分ける

筆者は適応障害で休職したあと、結果的に退職・転職という道を選びました。振り返って思うのは、限界が来る前の段階では「辞めない」と「辞められない」の区別がつかなくなっていたということです。

納得して残っているのか、選択肢を持てないから残っているのか。この2つはまったく違います。前者なら問題ありませんが、後者なら、動かないとしても選択肢だけは確保しておいたほうがいいと思います。

こはく

残るって決めるのも、ちゃんとした選択だもんね。

年代ごとの転職率や、実際に動いた人が給料をどうしたかについては、別の記事で詳しくまとめています。

これから同じ会社に居続けられるか|数字が示す3つの分かれ目

30〜40代の男女が働くオフィス

ここまでの数字を並べると、「残るか動くか」の判断が効いてくるポイントが見えてきます。

⏱ 判断が効く3つのタイミング

20代後半

転職率が最も高い時期(男16.8%・女15.1%)

40代後半

賃金の増減差が+22.6ptと最も良い年代

55歳〜

増減差が−9.2ptに逆転。60代前半は−47.3pt

分かれ目①|20代後半に「残る」を選んだ意味

転職入職率は25〜29歳がピークで、女性16.8%・男性15.1%です。周囲がいちばん動く時期に残ったなら、それは十分に意識的な選択と言えます。

問題は、その選択をそのまま10年放置してしまうことです。30〜34歳の平均勤続年数は7.0年。この時点で自分のキャリアを言語化できているかどうかが、後の選択肢の幅を決めます。

分かれ目②|40代後半は思われているより条件がいい

賃金面では45〜49歳(男女計)が「増えた」46.4%、増加が減少を22.6ポイント上回り、全年代で最も良い数字を出しています。

ただし動く人の割合は男女で逆を向きます。転職入職率は45〜49歳で女性10.7%に対し男性6.0%。「40代を過ぎたら市場価値がない」という思い込みは賃金データとは合いませんが、男性が実際に動いている割合は低いのも事実です。残る以外の選択肢が本当に無いのかは、一度確認する価値があります。

分かれ目③|55歳を越えると前提が反転する

55〜59歳では賃金の増減差が−9.2ポイント、60〜64歳では−47.3ポイントと大きく逆転します。60〜64歳で「増えた」はわずか13.6%です。

定年や再雇用による条件の切り替えを含んだ数字なので純粋な転職の結果ではありませんが、この年代からの移動は賃金が下がる前提で考えるのが現実的です。残るか動くかを比較検討できる期間には、事実上の期限があります。

「崩壊したかどうか」より「自分がどちらを選ぶか」

終身雇用が崩壊したかという問いは、答えが出ても行動が変わりません。44.7%という数字も、あなたが残るべきか動くべきかを教えてはくれません。

意味があるのは「今の自分は、残ることを選べる状態にあるか」という問いのほうです。選べるなら残るのは立派な戦略ですし、選べないなら、動くかどうかは別として選択肢だけは作っておいたほうがいい——数字から言えるのはそこまでです。

新卒と中途で入口がどう違うのかは、別の記事で扱っています。

よくある質問

よくある質問セクションの見出し画像

終身雇用はもう完全になくなったのですか?

なくなってはいません。35〜44歳でも44.7%、男性に限れば51.1%が「今の会社が最初の会社」です。ただし多数派とも言えなくなりました。

より正確には、1社に居続けることは今も可能である一方、居続ければ処遇が上がり定年まで守られるというセットの保証が外れた、という状態です。

終身雇用はいつ崩壊したのですか?

特定できる日付はありません。終身雇用は労働基準法などに定められた制度ではなく、高度経済成長期に定着した企業の慣行だからです。

廃止の宣言も施行日も存在せず、企業ごとに前提が変わってきたというのが実態です。

昔のほうが同じ会社に長く勤めていたのではないですか?

統計上は逆です。55〜59歳男性の平均勤続年数は1980年が13.7年、2025年が22.8年で、現在のほうが9年以上長くなっています。

当時は定年が55歳の企業が多く、55〜59歳の人はすでに定年後の再就職で勤続がリセットされていたためです。ただし2020年以降は推計方法が変更されているため、単純比較には注意が必要です。

なぜ女性のほうが同じ会社に残っている割合が低いのですか?

就業構造基本調査では、過去5年間に前職を辞めた理由として「出産・育児のため」が69.6万人、「介護・看護のため」が47.4万人にのぼります。

同じ調査で35〜44歳の「現職が初職」は男性51.1%・女性36.8%と14.3ポイントの差があり、平均勤続年数でも同じ方向の差が出ています。

能力や意欲ではなく、ライフイベントで職を離れる場面の多さが背景にあると読むのが自然です。

「初職」には学生時代のアルバイトも含まれますか?

初職は最初に就いた仕事を指し、正社員に限りません。そのため「現職が初職」44.7%の中には、新卒入社の会社に残っている正社員だけでなく、最初に就いた非正規の仕事を続けている人も含まれます。

いわゆる終身雇用コースに乗っている人の割合は、この数字よりさらに少ないと考えるのが妥当です。

まとめ

まとめセクションの見出し画像

✅ まとめ:終身雇用と「同じ会社」のいま

  • 35〜44歳で「現職が初職」は44.7%(男性51.1%・女性36.8%)
  • 40歳前後を境に、最初の会社に残っている人は少数側に回る
  • 男女差は14ポイント以上。勤続年数でも同じ方向の差が出ている
  • 55〜59歳男性の平均勤続年数は22.8年。1社勤め上げなら約35年のはず
  • 1980年は13.7年。勤続年数はむしろ長くなっている(定年延長の影響)
  • 崩れたのは勤続の長さではなく「居続ければ報われる」という前提
  • 残ると決めるなら、退職金規程の確認と職務経歴の棚卸しはしておく

出典:総務省「令和4年 就業構造基本調査」/厚生労働省「賃金構造基本統計調査」。確認日 2026年9月13日。統計の数値は調査年ごとに更新されます。

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